ふとん屋を調べていただいて初めて来店された岐南町のS様。
ご要望は、夏座布団を買替えたいが、大判(八端判)の夏座布団がないか、との事でした。
昨今の生活スタイルや習慣の変化で、座布団自体の需要が激減。
特に夏座布団は、問屋さんにも生地の在庫はあまり無く、生産も減ってきている状況となっています。
綿加工をお願いしている加工屋さんはふとん屋も同時に営んでいて、そこはいまだ在庫を少し持っていらっしゃるので、八端判の生地を尋ねてみました。
そしたら本麻(麻100%)ちぢみの生地を出してくれました。
この麻100%のちぢみ(シャリっとしたちぢみ絞り)の八端判、しかも滋賀県近江産のちぢみはとても貴重品です。また柄の「花紋」と赤の色使いはとてもおしゃれです。
今わずかに残っている夏座布団生地は、ほとんどが平織で、ちぢみはあっても山梨県甲斐ちぢみや栃木県秩父ちぢみがありますが、滋賀県近江ちぢみのシャリ感がダントツいいですね。
そういえば新潟県の小千谷ちぢみは超貴重品としてありますが、こちらは座布団より麻掛布団としてわずかに生産されています。
昔は良い品が当たり前にありましたが、需要と供給が合わなくなると、時代とともに良い品も無くなってきて変わってしまいますね。
この希少価値を分かって下さり、わずか5枚の生地しかありませんでしたがご要望通りの5枚という事もあり、決めてくださいました。
座布団はしまっておくのではなく、使い込んでもらうのが利用価値ですので、S様、大事にでもよく使っていただきたいと思います。