お客様から、新聞広告に「『シンサレート』布団というのが『羽毛布団の2倍あたたかい!』というキャッチフレーズが載っていたのですが、本当ですか?」というお尋ねがありました。
『シンサレート』とは、なんとなく聞いたことはあっても詳しく知りませんでしたが、ただ新聞広告に載っていたという時点で、羽毛布団の2倍あたたかい布団が値段7千円ほどの商品では、「基本的にあり得ないと思います!」と思いました。
『誇大広告』まがい、というのだけは想像できます。
が、一応よく調べてみました。
シンサレート布団 高機能中綿素材とは? 3M™ シンサレート™に迫ります
お布団コンシェルジュというサイトがとても分かりやすかったです。
『シンサレート』とは、3M社が開発した断熱素材で、厚さ1cmほどの断熱不織布シートです。そのものが『わた』などの中素材ではありません。シートを内蔵したポリエステル綿の布団ということになります。
それで果たして羽毛布団より2倍あたたかいのか?
あたたかさを計るには、同じ厚さにするという条件があるそうです。シンサレートはあくまでも1cmほどのシートですから、布団のような厚さにはなりません。羽毛を1cmのシートほどに薄くした場合に、羽毛より約2倍のあたたかさの数値が出たというものです。
ですから、このサイトにも書いてありましたが、あり得ませんがシンサレートはシートですから布団には出来ません。シートを使用したポリエステル綿100%の布団にしかできません。その布団と羽毛布団1kgほどを比較したら、中素材の差で羽毛布団の方があたたかくなる、というのが結論です。
ということで、新聞広告の『シンサレートは羽毛布団の2倍あたたかい』は、誇大広告のようなものです。実際の布団どうしでは2倍あたたかくなることはあり得ません、とお答えさせていただきました。
このシンサレート布団は3千円~7千円くらいの値段です。しかも側生地がポリエステル100%。この値段では羽毛布団よりあたたかい体感ができないのと、全部ポリエステルでは寝心地が悪くなるに違いありません。
いつも言いますが、仮にあたたかいだけがあったとしても、ムレたり、寝心地が良くなかったりしては、快眠には繋がらないということです。